オホーツクバレー
日本最北端の国立大学から考える未来。東京のIT企業との共同研究をはじめ、北見市を支える様々な取り組み。
北見工業大学は、日本最北端の国立大学法人であり、北海道の豊かな自然に囲まれています。 この恵まれた環境の中で「自然と調和するテクノロジーの発展」をキーワードに、 地球環境問題を中心とした世界的課題や、第一次産業を基盤とする地域の課題を見出し、 解決のために工学的知見から積極的に取り組む技術者の養成を目指しています。 最近では、共同研究においてもITを切り口とした企業とのコラボレーションが進んでおり、 首都圏企業との実践的な共同研究を通じた人材育成も進んでいます。
農業から観光までドローン制御の新たな試み
(株)Zooops Japanとは、ドローン制御の共同研究を実施。ドローンの空撮による野生動物の検知から、自撮り棒に替わる旅行者の新たな写真撮影の方法まで、地域産業とリンクしたドローン利活用に向けた研究が進められています。
AIとの相乗効果にも期待スマホでカーリングのデータ収集
北見工業大学ではカーリングのデータ化についての研究が進んでいますが、(株)アイエンターとの共同研究では、ストーンの配置やショットのデータをスマホで撮影する画像により自動収集し、AIによる戦術データプラットフォーム構築をサポートしています。
あらゆるものに画像投影プロジェクションマッピングの進化
大きな壁や建物に、立体構造を活かしたスケールの大きな映像を投影するプロジェクションマッピング。(株)アイエンターとは、より小さいもの、動くものに対する投影技術を共同研究しています。単純な球体が様々な物体に変化する日がくるかもしれません。
路面の凹凸を自動収集異常箇所が一目でわかるマップシステム
急激な温度変化にさらされる北国の道路。路面のトラブルは切実な課題である一方、その異常を調査するには大変なコストがかかります。(株)要との共同研究では、異常箇所をセンサーで自動収集し、位置情報と画像をマッチングして見える化していきます。
北見工業大学が持つ高度な自動化・ロボット化技術、IT技術、エネルギー技術、バイオ食品技術などをオホーツク地域の強みである第一次産業に展開し、センサーとAIによる生産技術の次世代への継承や、寒冷地域に適応した育苗施設や丘陵地用の作業機械の開発など、農林水産の分野を超えたユニークな工学的支援を推進しています。
冬季スポーツの中から「アルペンスキー競技」と「カーリング競技」を取り上げ、国内唯一のシミュレーターによる解析技術を活かしたトップスキーヤーの競技力向上や用具開発のサポートのほか、カーリング競技では、人工知能を活用した戦略支援システムの開発や選手のスキル向上に向けた解析技術の開発に取り組んでいます。
映像から3D CADモデルによりターン動作を高精度で解析。2018年平昌冬季五輪に出場した3人の選手はこの技術によりスキルアップを図り、いずれの選手も優秀な成績を残しています。
氷上のチェスとも言われるカーリングの戦略を支援するデジタルスコアブック「iCE」が誕生。リアルタイムで記録されたデータはクラウド上に蓄積され、スマホなどでいつでも分析可能。
日本人の骨格的特徴に適したスキーブーツの設計・開発に成功。2014年のソチオリンピックでは上村愛子選手が使用し、4位入賞という結果を残しました。